NHL 観戦レポート:アナハイム・ダックス / ライアン・ゲツラフ選手の引退試合特集

今夜は、17シーズンをアナハイム・ダックス一筋にキャプテン(12シーズン)として活躍した、ライアン・ゲツラフ選手の現役最後の試合が行われたアナハイム・ダックスの本拠地、ホンダセンターに行ってきました。

アリーナには、ゲツラフ選手の引退試合、日曜日のホーム最終戦ということもあり、開場前から沢山のファンが訪れていました。

今日はゲツラフ選手のジャージがプリントされたラリータオルが全座席に置いてありましたが、アリーナ内に入ると、そのラリータオルを使い、サイドラインの200と400セクションの座席に"THANKS GETZY (サンクス・ゲッツィー)” の文字が描かれていました。

また両チームの選手が、試合前のドリルのためにリンクに姿を現すと、ダックスの選手全員が#15GETZSLAFのジャージで登場。ゲツラフ選手は終始にこやかに練習し、時にはグラス越しにファンのセルフィーに応じていました。

試合前のセレモニーでは、トリビュートビデオが流れ、ゲツラフ選手と家族、オーナー夫妻がセンターアイスに集まり、ダックスは、ゲツラフ選手の長年に渡るリーダーシップを称えて、ゴルフバケーションが贈られましたが、その際に登場したのは、なんと2007年のスタンレーカップ制覇のゲツラフ選手のチームメイトだったダックスのレジェンド、テーム・セランネ氏がオフロードカートに乗って氷上に登場し会場内は大変に盛り上がりました。


試合の方は、1stピリオドにダックスのコントア、メイヒュー選手が2ゴールを奪い、この調子でゲツラフ選手の引退試合を勝利で飾るのかに思われた2ndピリオド、やはりプレーオフ進出を決めているセントルイス・ブルースが反撃開始。カイルー、タラセンコ、バルバシェブ、フォーク選手が立て続けにゴールを決め、同点からあっという間に逆転されてしまいました。3rdピリオドにはブチェネヴィッチ、スカンデラ選手に今夜のダックスオフェンスにとってはダメ押しの2ゴールを決められ6-2。さすが、セントルイス・ブルースの強さを見せつけられた様でした。
ですが、プレーオフ争いからは脱落しているダックスファンにとっては、もちろん勝利でゲツラフ選手の最後を飾ってほしいと思いつつも、ゲツラフ選手の最後の雄姿を観られればそれでいい、、、。そんな思いに応えるかのように、3rdピリオド残り2:41には、トロイ・テリー選手がパックを拾い、出したパスを受けたゲツラフ選手は、ゴールへと進み、そこからほぼノールックで体を回転させて背面の斜め後ろへ絶妙なパスを出し、アダム・ヘンリーク選手がゴールを決めて6-3!。

目立つことを嫌い、常に他の選手をサポートする側に回ってきたキャプテン、ゲツラフ選手の17シーズンの選手生活を象徴するようなスーパーアシストプレーに場内は興奮の坩堝と化し、ベンチに戻っても拍手は鳴りやまず試合は中断、ゲツラフ選手は控えめに手を振って応えました。また残り1分に再度ゲツラフ選手が登場すると、会場内は総立ちとなり、各々がゲツラフ選手の現役最後のプレーを目に焼き付けました。



3rdピリオドの途中、スコアボードには「試合後にキャプテンからスペシャルメッセージがあります」とのメッセージが映し出されましたが、試合後、ゲツラフ選手はダックス、ブルースの選手、監督らとハグをした後、涙を拭きながらリンクを小さく一周してからマイクを手に取り、チーム、家族、ファン、会場内にいる人すべてに感謝の思いを伝えました。



どのプロスポーツもファンにとって、偉大な選手が引退するのは寂しい限りです。ゲツラフ選手、本当にお疲れ様でした!

ライアン・ゲツラフ選手 C
ドラフト:ANA 2003年1巡目、全体19番目
出場試合数:1,557
ゴール:282アシスト:737
ポイント:1,019
*成績はダックス公式スタッツから

主な記録:
・レギュラーシーズンとプレーオフの両方でのダックスの歴代最多得点王
・出場試合数、アシスト数、ダックス歴代トップ・NHLの歴代アシストランキングでは49位、歴代得点ランキングでは88位
・NHL史上で10年間同じチームでキャプテンを務め、1000ポイント獲得した11人の選手の うちの1人。
・NHL史上、オリンピック金メダルとスタンレーカップ制覇した13人の選手のうちの1人。

ビデオ:
ゲツラフ選手の試合前練習の様子①はこちら
ゲツラフ選手の試合前練習の様子②はこちら
ゲツラフ選手の最後のアシストはこちら
ゲツラフ選手のアシストによるゴール直後の会場内の様子はこちら
試合終了後のゲツラフ選手メッセージの様子はこちら

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